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肺の腫瘍はやはり悪性だった。40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられた俊介は、テレビ画面にふるさとの丘を見つける-。北海道の雄大な自然を背景に、人生の素晴らしさを渾身の魂を込めて描ききる長編小説。
トシ、シュン、ユウちゃん、そして紅一点のミッチョの幼なじみの4人があの丘で星を眺めてから30年。
故郷を離れたものと残ったもの。トシは故郷に残り、東京から帰ってきたミッチョと結婚した。今は地元の遊園地の園長をしている。
幼い子供が殺害される事件が発生し、それが不思議な縁で4人を繋ぐ。
炭鉱の町だったふるさとで過去にあった忌まわしい出来事や、10歳だったころの4人のその後、4人の間にある亀裂。
許すこと・・・他人だけでなく自分を許すことがテーマでした。
肝心なところでは泣かせるし、許し許されるというテーマもしっかり描かれていて、なかなか読ませますが、なんかいろんなことを詰め込みすぎてて、読んでる方はちょっと冷めるかも。
泣かせようというあざとさ(言葉は悪いけど)みたいなのがプンプン伝わってきて。
それから4人に関わってくる人の中でミウという女性が出てくるのですが、この人をここまで関わらせる意味がイマイチ理解できない。
過去にあった出来事が自分達とリンクするからといって、なんでも4人のことを話してしまうユウちゃんの行動もちょっとありえない(笑)
それから殺害された少女の父親、川原さんの関わり方も、リアリティが感じられず。
心情はよくわかるけれど。
感情移入しにくいキャラばかりだからかな。
ただ、「自分を許す」という難しさや葛藤はすごく伝わってきたと思う。
特にシュンの祖父、倉田センタロウの姿が痛々しく、そして切なかった。
とりあえず、本屋大賞の候補にあがったものは全部よんだー!
(ちなみに有頂天家族は5分の1読んでやめました、一応読んだってことで・・・またその内挑戦します!笑)
どれが選ばれるのか・・・楽しみですねぇ。