- 雨の塔/宮木 あや子
- ¥1,260
- Amazon.co.jp
- 四人の少女たちが織りなす愛と孤独の物語
資産家の娘だけが入れる特別な学校に「捨てられた」四人の少女たち。閉じた空間で生まれる愛情、執着、嫉妬。濃密で危うい感情の行く先は――。大人のための"少女小説"。
デビュー作「花宵道中」がとてもよかったので期待していたのですが・・・
海が見渡せる金持ちの娘だけが入れる学校。
それぞれ何らかの理由でそこに「捨てられた」女の子4人のお話です。
主人公4人、それぞれの目線で物語りは進んでいきますが。
特殊で閉鎖的で、そしてそれぞれこころに何かを抱えている4人の少女。
高校生のお話かと思ったら、大学生の設定でちょっとビックリ(笑)
最初1人をのぞいてキャラクターが似たような人物描写だったので、名前と外見的イメージを一致させるのが大変だったのですが、じょじょに慣れていきました。
このお話、この表紙でほとんどを語ってしまっている感じで、まさに籠の中の少女たちのお話といったところ。
ちょっと彼女達の心情を汲み取るのには苦労しますが、特殊で閉鎖的でひんやりとした空気感はとてもよく表現されていたと思います。
大人と子供の境界線上で恋したり嫉妬したり悩んだり・・・・簡単に消化できずにいる、こころの揺れのようなもの・・・よかったとおもいます。
ただ、全体的にはもう一押し何かが欲しかったなーと物足りなさを感じてしまいました。
うん、でもやっぱり筆力はありますね、宮木さん。